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はしりがき

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エンジン基礎理論第三章第一節「禁制位置」

n項重複の話は「固定した領域」が与えられたときの、「このカードはこの位置には埋め込めない」という条件を無視した上での議論である。だがこれだけでは実際の計算はできない。このカードはここには埋め込めない、という「禁制位置」についての考察が必要になる。
例えば「《青銅の鎧》→《腐敗勇騎トリプルマウス》→《ロスト・ソウル》」というパターンを考えよう。必要なブロックは5つ。「《青銅の鎧》を埋め込むブロック」「《腐敗勇騎トリプルマウス》を埋め込むブロック」「《ロスト・ソウル》を埋め込むブロック」「《青銅の鎧》に必要な緑マナを埋め込むブロック」「《腐敗勇騎トリプルマウス》に必要な黒マナを埋め込むブロック」がそれだ。相手の妨害を考えなければ《腐敗勇騎トリプルマウス》の緑マナは《青銅の鎧》の緑マナで確保されているし、《ロスト・ソウル》の黒マナは《腐敗勇騎トリプルマウス》の黒マナで確保されている。
後攻スタートとしても《青銅の鎧》を使う3ターン目までに引くカードの総枚数は8枚だから、その中に《青銅の鎧》と緑マナを埋め込めばよい——しかしMraiは《青銅の鎧》を使う3ターン目には埋め込めない。ここにまず問題がひとつ。
さらに4ターン目までに《腐敗勇騎トリプルマウス》と黒マナを埋め込むのだが、4ターン目までに引いたカードの総枚数は9枚だから、《青銅の鎧》と緑マナを埋め込むブロックにおける全領域μ=8より1枚分拡張されたμ=9が全領域となる。しかしこれはブロックの順番を間違えると——例えば《腐敗勇騎トリプルマウス》と黒マナを埋め込んでから《青銅の鎧》と緑マナを埋め込もうとすると、拡張された1枚分のところに《腐敗勇騎トリプルマウス》や黒マナがくるかどうかによって場合分けが必要になってしまい、非常に面倒なことになる。これがふたつめの問題。
ひとつめの問題は禁制位置がはじめから決まっている。これを「絶対禁制位置」と呼ぼう。ふたつめの問題は接続が確保する領域に差があるときに発生する場合分け。「Aには入らない場合」「Bには入らない場合」のように禁制位置の設定によって場合分けすることからこれを「相対禁制位置」と呼ぼう。
仰々しい名前をつけてはみたが、相手の妨害を考慮しなければ、絶対禁制位置は「あるカードの多色マナMraiはあるカードを使うターンには埋め込めない」というものしかない。(†1)
相対禁制位置もさしあたっては大した問題ではない。この場合は「《青銅の鎧》&緑マナ」→「《腐敗勇騎トリプルマウス》&黒マナ」→「《ロスト・ソウル》」のように領域の小さいほうから埋め込めば容易に解決する。
したがってこの章で述べることは多くない。禁制位置の問題が顕在化するのは相手の妨害を考えるとき。ゆえに本来は応用理論の話なのだ。しかし確率計算の実例を示すにあたっては一応の説明が必要なので、さらっと読み流しておいて欲しい。第二章の内容が理解できる方ならつまづくこともないだろう。

(†1)基礎理論では「相手の妨害」を扱わないとしたものの、将来的な展望を述べさせてもらえばこの問題は無視できない。例えば4ターン目に相手の《解体人形ジェニー》が使われることを考えるならば、あるパターンの成立確率においてこちらの目的カードが《解体人形ジェニー》以前に埋め込まれるとき、本来の成立確率に「相手が《解体人形ジェニー》を使ってこない(使わないのではなく使えない)確率」を掛けることが必要になり、こちらの目的のカードが《解体人形ジェニー》以後に埋め込まれるときはそのまま(《解体人形ジェニー》による影響はない)で、最終的に両者の和を取ることになる。ここで「こちらの目的のカード が《解体人形ジェニー》以後に埋め込まれる」場合は複数の接続の確保する領域どうしが包含関係のみによって構成されないパターンが発生する。これが相対禁制位置の複雑な場合である。

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